きままにカルテ

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【大統領の料理人(2013)】 淡々としているが…

「大統領の料理人(2013)」という映画の感想です  

大統領の料理人(字幕版)
 

★大統領の料理人 : 作品情報 - 映画.com

 

オススメ度

★★★★☆☆☆☆☆☆

淡々とした映画でもOKな人向け
(※フランス映画ですから!)

 

あらすじ 

「フランス最後の国父」と称されるフランソワ・ミッテラン大統領に仕えた、仏官邸史上唯一の女性料理人ダニエル・デルプエシュの実話をもとに、大統領のもとで働く女性シェフの奮闘を描くドラマ。

片田舎のレストランを経営しているオルタンスは、ミッテラン大統領の指名によってエリゼ宮のプライベートルームに迎えられる。

オルタンスは、規律に縛られた男社会の厨房で孤立しながらも、ひたすらに料理の味を追求。

やがて、オルタンスの情熱が冷え切っていた厨房を刺激していく。監督は「恋愛小説ができるまで」のクリスチャン・バンサン。

出典:映画.com 

ある意味拍子抜けした

あらすじを読んで、これはちょっと面白そうだ!と思って劇場に見にいきましたが、正直思っていた展開とはだいぶ違っていました。

普通の田舎の料理人である主人公が大統領お抱えの料理人になるというのは、いってみればシンデレラストーリーのような展開だけど、主人公は思ったよりも大統領に気に入られていたし、何よりも彼女は自分に自信がありました。

だから、逆境にいる彼女がだんだんと認められていく、というよりは、認められていた人が下降していく、と思える展開でした。認められていく場合は爽快感があるのですが、その逆なのでなかなかツライものがありますね。

 

もはや飯テロ!

フランスといえばフランス料理!
料理人の話ですから、作中にはとにかく料理のシーンが多かったです。食べ物の映像に関してはものすごく美味しそうでした!これは本当に唾を飲み込みましたね(笑)
そしてフランスといえばもう一つ、オシャレファッションでも有名ですよね。

 

余談ですが、私が愛してやまない漫画に「東京BABYLONCLAMP著)」があります。この漫画は一話完結型の漫画なのですが(大筋はありますが)、扱っているテーマが執筆された当時の日本の社会問題という意外と重めの作品です。
しかしこの漫画のキャラクターは毎回ド派手で奇抜な服をきていて、それが不思議なコメディ感をかもしだしている。なんか変なギャップがあるんですね。

それで、この漫画はフランスで人気があったそうなんです。今でこそ日本のポップカルチャーはいろんな国で人気ですけど、その当時はまだ1995年以前だったかと思いますから、「え~これがフランスで人気なの!?」と驚いたものです。しかしその理由を読んで納得、人気の理由はその「ファッション」にあったのです。

 

話を映画に戻しますが、この作品は正直ものすごい波がある映画ではないんですよね。ただ、作中にでてくる鮮やかで美味しそうな料理、全体的な雰囲気に、「アート感」が漂っている。

思えばフランス映画ってそういう雰囲気のものが多いですよね。良いとか悪いとかじゃなくて、あ、これはアート感が強いな、っていう。

もはや観点の問題ですね。これは面白いのか面白くないのか、で判断するのか、これは芸術なのか芸術じゃないのか、で判断するのか…。

 

深い感慨は残りません

正直言ってこの映画は見た後にこれといった深い感慨は残らないです。多分それは、成功していく爽快感というのが無いからなんだと思います。でも逆の視点から見れば、思うところがないわけでもないなあとも思うんですよね。

 

彼女は素材にこだわり、大統領の満足するものを作ってきた。ただコストとか度外視して批判されて結果的にその仕事をやめる。社会的に見たら正しいのは、勿論コストを抑えることや体によいレシピなわけで、そういう観点からするとすごく「現実的」な映画だったと思います。

でも…大統領は彼女を認めていたし、彼女も大統領を敬愛していた。
夜中、大統領がトリュフを食べにくるシーンはちょっと印象的でした。

「最近、いじめられてるな。私もだよ」

「わたしは逆境だからこそ頑張れる」 

 

この映画に関してどういう解釈が正しいのかよくわかりませんが、個人的にはこの主人公のような職人的な感じの人がもっと世の中に認められれば良いのにと思います。
世の中では、いわゆる「コスパが良い」ことが素晴らしいと思われてるし、そういう世の中を誰も疑問視しないし、実際そうなのだろうけれど、そういう頭だけでは得られない本物がある、という世の中であってほしい。

妥協とか打算より、情熱であってほしいと思った映画です。