きままにカルテ

映画・本・漫画などの感想を延々とひたすら書き記そうと思ってるブログです。

【ビッグ・アイズ】 創作能力とビジネス能力は別物という現実

ビッグ・アイズ (2014)」という映画の感想です。   

ビッグ・アイズ(字幕版)
 

★映画『ビッグ・アイズ』 - シネマトゥデイ

★映画『ビッグ・アイズ』公式サイト

 

オススメ度

★★★★★★☆☆☆☆

創作している方必見!

 

あらすじ 

1950年代から1960年代にかけて、哀愁漂う大きな目の子供を描いた絵画「BIG EYES」シリーズが世界中で人気を博す。

作者のウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)は一躍アート界で有名人になるものの、何と実際に制作していたのは内気な性格の妻マーガレット(エイミー・アダムス)だった。

自身の感情を唯一表現できるBIG EYESを守るため、マーガレットは自分が描いたという事実の公表を考え……。

出典:シネマトゥデイ

 

キッカケは青山の街中

街中で映画のポスターを見かけて、ティム・バートンの名前と目を引く絵に「これ気になる!」と思った映画。遅れ馳せながらDVDで鑑賞しました!

 

再婚した男にうまいことのせられてゴースト画家になってしまった奥さんが、真実を語り己の栄誉を取り戻すお話。

実話を元にしているということで、ストーリー的には何か捻りがあるということはなくストレート。

記憶に新しいところだと、日本では音楽業界でこのような事件がありましたが、まさにあのような感じのお話でした。

 

創作者にとっては腹立たしい展開 

さっそく感想ですが…とにかくムカついた!!!(笑)

最終的には奥さんが作者であることは裁判で認められるわけだからハッピーエンドだけど、中盤以降の夫の自己顕示欲と傲慢さが記憶にこびりつきます。

 

世の中には何がしかの創作をしてる人がいっぱいいると思うんですが、中でも、もうそれが人生とイコールで、それそのものが自分を構成する一部というレベルの人がいると思うんです。

そういう人からすれば、こんなふうにされるのは耐えがたいことだと思います。自分も物を創る人間だからか、奥さんにかなり感情移入しました。 

 

とはいえ、ここまでの地位を手に入れたのは、やはり夫の宣伝力や販売力があったからなんですよね。奥さんが宣伝をするだけでは、きっとこの地位は得られなかった。
最終的に奥さんは超有名作家ということで認知され続けるのだろうけど、それを手に入れたキッカケの一つにはやはり夫の力がある。

だからといって夫だけでは肝心の絵が生まれない…

この、表に出る人間と裏で作業をする人間の関係性は、本当に複雑だなと思います。バランスが取れていれば最高のビジネスパートナーなんだろうけど…。

 

個人的にこの夫にはとても腹が立ったけど、ビジネス的にはすごいなあとちょっと感心しました。なるほど、売り込みたいときはこうすればいいのか!と(笑)

最初は手堅く画廊への売り込みとか店の壁に絵を飾らせてもらうとかで、そこから人脈が広がっていってるので、意外と参考になる気がします。

 

搾取されている創作者が多いという現実

この映画の場合は晴れて本当の作者が誇りを取り戻したので、作者>販売者というような構図になったけれど、まだまだこの映画に似た状況は多いんじゃないかと思います。

作家さんの稿料未払いや稿料の引き下げなど、ネットでも良く取り上げられているのを見かけます。販売者は沢山儲かっているのに、実際にそれを手掛けている人間の手元に入るのはスズメの涙なんて…そう思うと切ないです。

いつかこんな構図が切り崩されればいいのにと心底思います。宣伝がなければ大きくならないけれど、それ以前に宣伝材料がなければ利益もうまれません。

 

何かを創る人は、誇りを持って、胸を張った方がいいですね!
「自分なんて…」という控えめな考えが最初にあったからこそ奥さんはああいう道を辿ったのだし…。自信の無さにつけこまれてはいけないなと思いました。

 

この映画を見て創作者の方へ伝えたいと思ったこと

何かを創作する人は、自信がないとか、メンタルに傷があるとか、そういう繊細な心があるからこそ創作している人が多いと思います。だから自信をもつというのはもしかしたらとても難しいことかもしれない。

ただ、自分の利益のために表面だけ優しく装ってくる人は本当に多いものです。私も私の人生の中でそれを痛感しました。多くの場合、利益を得ようとするためにこちらのYESを引き出すまではとても親切ですが、アフターフォローはボロボロです。

 

「夢を叶えるためのお手伝いをします!」とか「夢を叶えるためのステップとしてまずはうちで仕事をしてみませんか?そうすれば職務経歴として書けるし有利です」と書いてくる人や団体・会社には十二分に注意してほしいと思います。

 経歴としてかけることは本当ですが、それが武器になるとはかぎりません。なぜならクリエイティブなフィールドは常に新しいものをもとめている傾向にありますし、仮にすごいところで働いた経験があったとしても、その経歴を重視するような他社と同じものを求めている会社は結局成長しないからです。 

 

 

傷をもつ繊細な創作者はほんと大変だと思いますが、頑張ってほしいなと思います。コミュニケーション能力の高いポジティブな人がたまたま創作したらそっちの方が断然脚光を浴びる世の中ですから、痛みとか叫びはなかなか伝わらないと思いますが…。