きままにカルテ

映画・本・漫画などの感想を延々とひたすら書き記そうと思ってるブログです。

【シャッターアイランド(2009)】 ラストの何気ない言葉の重みにハッとする

シャッターアイランド(2009)」という映画の感想です

eiga.com

★シャッター アイランド : 作品情報 - 映画.com

 

オススメ度

★★★★★★★★☆☆

深読み好きな人には絶対面白い映画!!

 

あらすじ 

精神を病んだ犯罪者の収容施設がある孤島、シャッター アイランド。厳重に管理された施設から、一人の女性患者が謎のメッセージを残して姿を消す。孤島で起きた不可解な失踪(しっそう)事件の担当になった連邦保安官のテディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)は、この孤島の怪しさに気付き始める……。

シネマトゥデイ

 

 

 

改めて見た感想 

 

以前一度見たのですが内容を忘れていたのでもう一度見ました

精神を病んだ犯罪者の収容施設である島から一人の女性患者が脱走。その事件を担当するため島に上陸した連邦保安官のテディと相棒は、島の人間が何か隠ぺいしていることに気付き始める…という内容。

いわゆる売れ線映画的な「爽快感」はないですが、個人的には面白かったです!最終的に主人公の精神が病んでいたという、衝撃ラストのパターンですね。

全てはテディの妄想で、実は彼自身が2年前から治療を受けている患者だった…彼の犯した罪は「愛する妻の殺害」…
しかしその動機は、妻が重度のうつ病によって子供たち三人を殺してしまったから…。

精神が病んでいるため妄想していた、というタイプの話は結構多いように思うのですが、この映画の場合、主人公が精神を病んだ原因は「戦争」でした。
その重い背景が、隔離島やロボトミー手術・人体実験という不気味な内容にとてもマッチしていたように思います。

 

戦争のトラウマによってアルコール依存症になり、その結果、妻のうつ病も悪化してしまうという…正に彼の人生は悪循環に陥っていたのですね。

 

ラストの決断にグッとくる! 

 

個人的には最後の最後に主人公が下した決断にグッときました!

妄想の世界で保安官を演じていた主人公は、すべてを思い出し、実は自分が重度患者であることを理解する…つまり正常に戻ったわけですよね。

しかし彼は9か月前にも一度正常に戻っており、それでもなお今回の妄想劇を繰り返してしまっていた…

医師としてはもう二度と妄想をリピートさせたくない。それでもラストで主人公は保安官に戻ってしまう。それに気づいた医師はガッカリした様子で首を横に振る…

今回の回復が失敗なら、主人公はロボトミー手術を受けることになっていました。ロボトミー手術を受ければ脳が故意にいじられて人間味を失ってしまいます。心臓は動いているけど、個人の意思は「死ぬ」ということです。

しかし…最後に主人公が保安官に戻ったのは、多分、演技だと思います。

主人公はラストにこう言います。

 

『どっちの方がマシかな?

モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか』

 

正常に戻った彼は、犯罪者であり患者である為この島からは出られない。つまりずっとその檻の中で生きていかなければならない。

一方、妄想の中の自分は正義感の強い保安官。それは偽物だけれど、善人に違いない。

 

彼は自ら、ロボトミー手術という「死」を選んだのではないかと思います。

それは単純に「楽になりたい」というような逃避的な意味合いじゃなくて、「犯罪を犯した人間が生かされていていいはずがない」という、自分を裁き断罪する意味合いで…。

ストーリーからすると、やはり戦争の後遺症という残酷な側面を見ないわけにはいかない映画だったなと思います。

 

この映画が示す本当の「重み」とは?

 

現代の裁判では、精神が正常ではなく判断能力が無かったとして無罪を訴えるケースが多いですよね。

この映画では精神に異常をきたして(そのふりをして)刑が重くなるけれど、現代は全く逆なのですね。異常だったら刑が軽くなるわけですから…。そう考えると何だか不思議な気がします。

 

正義とは、いったい何なのでしょうか?

 

時代によって人間の尊厳に違いがある…常識なんて時代が作り出す幻なのだなとしみじみ思いました。

 

この映画はストーリー的にすごく好みなので、内容を忘れたころにまた見てみたいです。それにしてもディカプリオが渋かった…!